
学習のテーマ
- 物事の関係や意味について考える
小学5年生(10~11歳)の学習では、物事の関係や意味を深く考え、複雑な文章理解や表現力を高める学びが大切になります。文章のテーマ読解、要約、多角的な思考力を養う課題などを通し、抽象的な思考力と思考を言葉にする力を養います。
心身の発達課題と社会的な課題
思春期と個人差
思春期に向かう準備が進みますが、個人差の大きい時期です。言葉の力や筋道立てて考える力、抽象的思考力が芽生え、実際に経験したり実物を確認したりしなくても、考えをめぐらせて理解することができるようになっていきます。
連帯感と疎外感
友達の価値が高まり、自己と他者への気付きや調整力・集団への連帯感が高まりますが、十分ではないため葛藤や疎外感も感じやすい時期です。
学びの抽象度
学校の学習内容は、扱う内容の抽象度がより上がります。読解では、より複雑な関係性や価値について考え、言葉にしていくことが求められます。算数では、「割合=くらべる量÷もとにする量」のように、関係を表す概念に取り組んでいきます。
受験への準備
中学入試に向けて生徒自身や周囲の通塾日数の増加などの変化によって、生徒もご家庭も不安を感じやすい時期です。生徒の個性や目標を考慮に入れて、現時点での方針を考えることが大切になります。
リテラが大切にしたい学びの基盤
この時期に大切にしたい理解の基盤

- 自分を捉える力:学習の状態をフィードバックしたり、どのように取り組むべきかを一緒に考えたりすることで、自分自身を捉え、適切な手段をとれるようにします
- 知識と体験:本を用いて知識を深めたり、ワークショップなどで体験を提供したりすることで、学習や表現の前提をつくります
- 情報を処理する力:整理の仕方を学んだり、語彙の吸収に取り組んだりすることで、情報をよりスムースに処理できるようサポートします
この時期に大切にしたい心の基盤

- 自己効力感(自分はできると思える感覚):やりとげる体験を提供し、その過程に寄り添って努力を認めることで、「自分はできる!」という感覚を育みます。
この時期に学びたい表現の基盤

小学校高学年では、概念を操作すること・体験を描写すること・事実を意味づけることを通して、公立中高一貫校の適性検査型課題で求められる水準を満たす表現力に到達するとともに、より高度な思考力の基盤をつくります。
この時期に学びたい読解力

中学受験では、文章全体の「構造」を捉える力と、「テーマ」を読み取る力が求められます。ただ問題を解くだけではなく、要約や対話を通して、本質的な読解力を育んでいきます。
リテラの具体的な課題例
この時期に学びたい言語技術
| 言語技術の分野 | 課題 |
|---|---|
| 多読:児童書をたくさん読む ていねいに読む 読解問題の解き方を学ぶ |
|
| 要約の基礎を学ぶ 自分にかかわることやエピソードを表現する |
|
| 思考課題「因果関係」「役割」「関係性」 | |
| テーマに合わせて自分の考えや体験を話せる | |
| 漢字・計算など基礎的な学習の習慣 予習の習慣 読書習慣 |
読書
本の世界に没入する
- 集中して黙読する時間を持ちます。
- 物語を丁寧に味わうための「考え読み」を行います。物語を一章ごとに丁寧に読み、設問に取り組みます。
文章の指導
要約の基礎
- 「いつ、どこで、だれがどうした」「つなぎ言葉を使う」「結末がわかるように書く」などの書き言葉のコツを学びます。
- 事実と解釈を書き分けることや、二項対立的な考え方を学びます。
思考課題
思考課題「因果関係」
- 「因果関係」では、原因と結果の関係について学びます。
思考課題「役割」
- 「役割」では、人が社会の中で果たす役割について考えます。
思考課題「関係性」
- 「関係性」では、他との関係の中で生じる物事の価値について考えます。
対話課題
「アンゲーム」
- さまざまなテーマについて、自分の考えや体験を話します。
- 相手の話をきちん聞く姿勢など、対話の作法を学びます。
ミッション(体験)
- 作品制作に取り組みます。自分の感覚を働かせて、感じたり、工夫したりする体験の機会を作り、ことばにつなげていきます。自分なりに紹介するテーマを決めて、文章を書きます。
読解問題演習
- 本文と設問文とを丁寧に読む姿勢を身につけます。
- 設問文で問われていることを理解し、適切な答え方を学びます。
- 設問文に対して、自分なりに回答をイメージする姿勢を身につけます。
- 選択肢問題では、回答のイメージを持つとともに、消去法も併用して適切な回答を選択できるようにします。
学習サポートのポイント
異なる視点や文脈、全体と部分の関係に着目できるように
読解問題に本格的に取り組み始めます。本文の展開や筋道、本文と設問文との対応など、二つ以上の物事の関わりを意識しながら考えることが大切になります。
書き方を学べるように・正解/不正解を受け入れられるように見守る
わかりやすい説明の仕方には、「書き言葉のルール」があります。また、問題を解くと、正解と不正解があり、その根拠があります。「ルール」や「根拠」といったより客観的な正しさを受け止める姿勢が持てるよう接していきます。
問題やテストでは、良い結果が自信になる一方で、思い通りの結果が得られないことで自信を失いやすい時期でもあります。成功体験を積めるよう、大人がそれとなくサポートする一方で、子どもが思い通りの結果が得られなかったときに、困難に向き合う心(レジリエンス)が持てるよう励まし、ミスや失敗を人格と結びつけないように配慮しながら見守ることが大切になります。
集中力を発揮しやすい環境づくりを工夫する
学習課題が複雑になり、問題を分析したり解決するための見通しを立てたりする思考力が求められるため、注意力や集中力を充分に発揮することが重要になります。
「タイマーで時間を区切る」、「机の上を整理して必要なものをすぐに利用できるようにする」、「スクリーンやイヤーマフを使用してノイズを減らす」、「事前に気をつけたいことや学習のポイントを確認する」などをしながら、集中しやすい状況をあらかじめ作ることが重要です。
読書習慣を大切にする
読み書きに慣れ、児童書の楽しさを味わうことができるようになる時期です。また、中学入試を検討しているご家庭においては、受験勉強が本格化する前に、読書の楽しさを味わう大切な時間です。問題を解くための「手段」としての読書ではなく、読書そのものを楽しむための「目的」としての読書の時間を充分にとることが、文章そのものに対する理解を支えます。
この時期の困りごとへのアプローチ
ことばに関すること
複雑な説明文や論説文の読解が難しい
小学校5年生になると、教科書や資料に出てくる文章が抽象的になり、論理的な構成を持つものが増えます。文章を読む際には、筆者の主張や論理の展開を意識しながら読み進める練習をしましょう。段落ごとの要約だけでなく、文章全体の構成図を作成するのも理解を助けます。わからない言葉や表現は積極的に辞書で調べ、意味を確認する習慣をつけましょう。
登場人物の心情の変化や、物語のテーマを深く理解できない
物語を読む際には、登場人物の行動や会話だけでなく、内面の描写や背景にある社会状況なども考慮しながら、心情の変化や物語のテーマを考察する練習をしましょう。「作者は何を伝えたかったのだろう?」という視点を持つことも大切です。読書後に、自分の考えをまとめたり、他の人と意見交換をしたりするのも理解を深める良い機会です。
自分の考えを多角的に考察し、説得力のある文章を書くのが難しい
自分の考えを文章で表現する際には、一つの視点だけでなく、様々な角度から考察する練習をしましょう。賛成意見と反対意見の両方を検討したり、具体的な事例を複数挙げたりすることで、説得力が増します。文章構成を意識し、序論・本論・結論の流れを意識して書く練習も重要です。
新聞記事やニュースの内容を理解するのが難しい
新聞記事やニュースには、専門用語や背景知識が必要となる場合があります。記事を読む前に、見出しやリード文を読んで内容を予測する練習をしましょう。わからない言葉は調べ、記事の背景にある社会状況なども理解するように努めましょう。家族でニュースについて話し合うのも、理解を深める良い機会です。
プレゼンテーションや発表で、相手に分かりやすく伝えるのが難しい
プレゼンテーションや発表の際には、話の目的や聞き手を意識することが大切です。構成を事前にしっかりと練り、図やグラフなどの視覚資料を効果的に活用しましょう。話すスピードや声のトーン、ジェスチャーなども、相手に分かりやすく伝えるための重要な要素です。練習を重ね、自信を持って発表できるようにしましょう。
グループワークや討論で、建設的な意見交換ができない
グループワークや討論では、自分の意見を主張するだけでなく、相手の意見を注意深く聞き、尊重する姿勢が大切です。感情的にならず、根拠に基づいて冷静に話し合う練習をしましょう。意見が対立した場合には、共通点を見つけたり、妥協点を探ったりするのも、建設的な意見交換を進める上で重要です。
生活に関すること
生活全般の自律性が求められるが、まだ安定しない
小学5年生になると、学校生活や家庭での役割において、より高い自律性が求められるようになります。しかし、まだ完全に安定せず、日によってムラがあることも。お子様が自分で計画を立て、実行し、振り返る力を高めるために、具体的なサポートを続けましょう。例えば、週ごとの学習計画や家事の分担をお子様自身に立てさせ、その進捗を一緒に確認します。うまくいった時にはその努力を具体的に褒め、失敗した時には「どうすればよかったかな?」と原因を一緒に考え、次に活かす習慣をつけましょう。
友達関係が複雑化し、グループ間の問題や友人関係でのストレスが増える
この時期は、友人関係がさらに複雑になり、グループ内での人間関係や、グループ間の対立、SNSを通じたトラブルなど、多様な悩みに直面しやすくなります。お子様が話したがっている時には、まず共感的に耳を傾け、気持ちを受け止めることを最優先しましょう。すぐに解決策を提示するのではなく、お子様自身が状況を冷静に分析し、多様な視点から問題を捉えられるよう促します。必要であれば、学校の先生やスクールカウンセラーなど、専門機関と連携して対応することも検討しましょう。
金銭管理がより複雑になり、お小遣いの使い方に悩む
お小遣いの額が増えたり、自分で買い物をしたりする機会が増えるため、より計画的な金銭管理が求められます。お小遣い帳をつける習慣をつけさせたり、欲しいもののために貯金計画を立てさせたりするなど、具体的な管理方法を一緒に考えましょう。夏休みの旅行費用を貯めるなど、長期的な視点での計画を立てることも、金銭感覚を育む上で有効です。
スマートフォンやゲーム、インターネットとの付き合い方が課題になる
スマートフォンやゲーム、インターネットの利用が日常化し、使用時間やコンテンツ内容、SNSでのやり取りに関して、より高度な判断力が求められるようになります。お子様と定期的に話し合いの場を設け、使用ルールについて見直しを行いましょう。一方的な制限だけでなく、なぜそのルールが必要なのかを具体的に説明し、お子様自身が納得して守れるように促すことが大切です。家族でデジタルデトックスの日を設けたり、オンラインでの危険性について一緒に学んだりするのも良いでしょう。
思春期特有の心身の変化に対する不安や戸惑い
思春期への移行期にあたり、身体的な変化や精神的な不安定さが見られることがあります。お子様が戸惑いや不安を感じているサインを見逃さず、いつでも話を聞く準備があることを伝えましょう。性教育については、適切な情報を提供し、オープンに話せる関係性を築くことが大切です。感情の起伏が激しくなっても、頭ごなしに否定せず、その背景にあるお子様の気持ちを理解しようと努めましょう。信頼できる大人として、お子様が安心して相談できる存在であり続けることが重要です。

