
学習のテーマ
- 客観的な視点を意識して、わかりやすい説明の仕方を学ぶ
小学4年生(9~10歳)の学びでは、客観的な視点を養い、分かりやすい説明の力を育むことが大切です。読解、作文、思考課題を通して、より深く考え、書き言葉の基礎を習得します。
心身の発達課題と社会的な課題
思春期の準備と他者の視点
思春期の準備段階である「前思春期」に入っていきます。思考の質や学校の授業内容の抽象度が上がり、発達のリズムに応じ、同じ学年でもかなり差が出てくる時期です。男女差もあり、女子は第二次性徴が始まる場合もあります。「自分」と「他者」にかかわる理解が進み、人はどのように考えているか、思っているかについて、気づきが増えていきます。ルールを守ることや道徳に関わる理解も進みます。親しい関係で成立する話し言葉の世界から、より客観性の高い書き言葉を身につけていきたい時期です。
イメージを活用する
自分の経験した出来事を通じて考えること、実物を使って考えることから、少しずつイメージを使って考えることができるようになっていきます。教科の学習では、国語の教科書(光村)の『ごんぎつね』に見られるような「償い」や「後悔」といった複雑な心情や、算数の分母と分子の関係で数量を表す分数など、より抽象的な概念や関係性が思考の対象となっていきます。そうした概念を支える具体的な事柄や経験を、理解・イメージする力をサポートしていくことが大切になります。
リテラが大切にしたい学びの基盤
この時期に大切にしたい理解の基盤

- 知識と体験:本を用いて知識を深めたり、ワークショップなどで体験を提供したりすることで、学習や表現の前提をつくります
- 情報を処理する力:整理の仕方を学んだり、語彙の吸収に取り組んだりすることで、情報をよりスムースに処理できるようサポートします
この時期に大切にしたい心の基盤

- 自己効力感(自分はできると思える感覚):やりとげる体験を提供し、その過程に寄り添って努力を認めることで、「自分はできる!」という感覚を育みます。
この時期に学びたい表現の基盤

小学校中学年では、本質を捉えること・イメージの世界をつくること・体験を味わうことを大切にしながら、自分を育てていきます。
この時期に学びたい読解力

濫読・多読を通し、書いてあることを読み取り、それをイメージする経験を積みます。また、感情や表現の意味など、書かれていないことを推し量る力を育みます。
リテラの具体的な課題例
この時期に学びたい言語技術
| 言語技術の分野 | 課題 |
|---|---|
| 多読:児童書をたくさん読む ていねいに読む 読解問題の解き方を学ぶ |
|
| 書き言葉の基礎を学ぶ 自分にかかわることやエピソードを表現する |
|
| 思考課題「全体と部分」「力」「目的」 | |
| テーマに合わせて自分の考えや体験を話せる | |
| 漢字・計算など基礎的な学習の習慣 予習の習慣 読書習慣 |
読書

本の世界に没入する
- 集中して黙読する時間を持ちます。
- 物語を丁寧に味わうための「考え読み」を行います。物語を一章ごとに丁寧に読み、設問に取り組みます。
文章の指導
書き言葉の基礎
- 第三者にとってわかりやすい文章の書き方を学びます。「いつ、どこで、だれがどうした」「つなぎ言葉を使う」「結末がわかるように書く」などの書き言葉のコツを学びます。
できごとと気持ち
- できごとと気持ちを関連づけて説明します。「事実(したこと)」の後に、「気持ち(思ったこと・感じたこと)」を書きます。
- できるだけセリフ(直接話法)を使わずに、気持ちの言葉(間接話法)を使って説明します。
思考課題
思考課題「全体と部分」
- 「全体と部分」では、部分に分けて特徴や機能をとらえ、全体としての目的や意味について考えます。
思考課題「力」
- 「力」では、力の方向や、力の集中・分散といった、目に見えない力の働き方について考えます。
思考課題「目的」
- 「目的」では、物事の持つ目的や意味について考えます。
対話課題
「アンゲーム」
- さまざまなテーマについて、自分の考えや体験を話します。
- 相手の話をきちん聞く姿勢など、対話の作法を学びます。
ミッション(体験)
- 作品制作に取り組みます。自分の感覚を働かせて、感じたり、工夫したりする体験の機会を作り、ことばにつなげていきます。自分なりに紹介するテーマを決めて、文章を書きます。
読解問題演習
- 本文と設問文とを丁寧に読む姿勢を身につけます。
- 設問文で問われていることを理解し、適切な答え方を学びます。
- 設問文に対して、自分なりに回答をイメージする姿勢を身につけます。
- 選択肢問題では、回答のイメージを持つとともに、消去法も併用して適切な回答を選択できるようにします。
学習サポートのポイント
書き方を学べるように・正解/不正解を受け入れられるように見守る
わかりやすい説明の仕方には、「書き言葉のルール」があります。また、問題を解くと、正解と不正解があり、その根拠があります。「ルール」や「根拠」といったより客観的な正しさを受け止める姿勢が持てるよう接していきます。
問題やテストでは、良い結果が自信になる一方で、思い通りの結果が得られないことで自信を失いやすい時期でもあります。成功体験を積めるよう、大人がそれとなくサポートする一方で、子どもが思い通りの結果が得られなかったときに、困難に向き合う心(レジリエンス)が持てるよう励まし、ミスや失敗を人格と結びつけないように配慮しながら見守ることが大切になります。
読書習慣を大切にする
読み書きに慣れ、児童書の楽しさを味わうことができるようになる時期です。また、中学入試を検討しているご家庭においては、受験勉強が本格化する前に、読書の楽しさを味わう大切な時間です。問題を解くための「手段」としての読書ではなく、読書そのものを楽しむための「目的」としての読書の時間を充分にとることが、文章そのものに対する理解を支えます。
この時期の困りごとへのアプローチ
ことばに関すること
複雑な文章や説明文の読解に苦労する
小学校4年生になると、教科書や資料の文章がさらに複雑になり、抽象的な表現も増えてきます。文章を読む際には、段落ごとの要約を意識したり、文章全体の構成を把握する練習を取り入れましょう。図やグラフなどの資料と文章を関連付けながら読むことも重要です。わからない言葉は辞書で調べる習慣をつけましょう。また、何より、読書習慣をつくることが大切です。
登場人物の心情や場面の状況を深く読み取れない
物語を読む際には、登場人物の言動だけでなく、表情や背景描写などから、心情や場面の状況を推測する練習をしましょう。「もしこの登場人物だったらどう思う?」と問いかけてみるのも、感情移入を促し理解を深める良い方法です。
自分の考えを論理的に構成して説明するのが難しい
自分の考えを説明する際には、「なぜなら」「だから」「たとえば」といった接続詞を効果的に使うことが求められます。主張、理由、具体例といった文章の構成要素を意識することも大切です。まずは日常生活の中で、ゆっくり自分の考えを表現できるような時間をつくりましょう。
レポートや感想文など、まとまった文章を書くのに時間がかかる
レポートや感想文を書く際には、まず書く内容について情報を集め、構成を考える時間を設けましょう。箇条書きでアイデアを整理したり、簡単なアウトラインを作成したりするのも有効です。書き始めの一文を工夫したり、結論を明確にしたりすることも、読みやすい文章を書くためのポイントです。
慣用句やことわざ、四字熟語などを適切に使えない
慣用句やことわざ、四字熟語などは、文脈の中で意味を推測する練習をしましょう。意味調べだけでなく、実際に会話や文章の中で使ってみることで、定着を促します。また、それが表している状況をイメージすることが大切です。視覚的に理解しやすい絵本や教材を活用するのも効果的です。
議論や話し合いで、相手の意見を聞き、自分の意見を適切に述べることが難しい
議論や話し合いの際には、相手の意見を最後まで注意深く聞くことの大切さを教えましょう。相手の意見の要点をメモしたり、質問したりするのも理解を深めるのに役立ちます。自分の意見を述べる際には、根拠を明確にし、相手に分かりやすく伝えるように心がけましょう。
生活に関すること
生活全般の自己管理がまだ難しい
小学4年生になると、学習だけでなく、学校生活での役割や家庭での手伝いなど、自己管理が求められる場面が増えます。お子様自身が、自分の生活を計画し、実行し、振り返る習慣を育むことが大切です。たとえば、一日のスケジュールを一緒に考え、何にどれくらいの時間がかかるかを見積もってみましょう。宿題や明日の準備など、やるべきことをリストアップし、できたものからチェックしていく方法も有効です。うまくいかなくても、親子で原因を話し合い、次への改善策を考える機会を設けましょう。
友達関係が複雑になり、仲間割れやいじめに発展する心配がある
この時期は、気の合う友達とグループを形成し、その中でさまざまな人間関係の学びを経験します。一方で、グループ内での意見の対立や、仲間外れ、いじめといったデリケートな問題に直面することもあります。お子様が話したがっている時には、まず共感的に話を聞き、気持ちを受け止めることが最優先です。すぐに解決策を提示するのではなく、お子様自身が状況を冷静に分析し、どうすれば良いかを考えられるよう促しましょう。もし深刻な事態であれば、学校の先生やスクールカウンセラーなど、専門機関と連携して対応することが重要です。
金銭管理が難しく、衝動買いや無駄遣いをしてしまう
お小遣いを持つお子さんも増え、自分でお金を管理する機会が増えます。金銭感覚を育むためには、お小遣いの額や使い方について、お子様と具体的なルールを決め、定期的に見直すことが大切です。衝動買いや無駄遣いがあった場合は、なぜそれが無駄だったのか、他に何に使えたかなどを、一緒に話し合いましょう。欲しいものがあった時に、貯金計画を立てさせるなど、計画的にお金を使う練習をさせるのも良い方法です。
スマートフォンやゲーム、インターネットの利用時間が増加する
スマートフォンやゲーム、インターネットは、この年齢のお子様にとって身近なものになりますが、使用時間や内容に関する悩みが増えます。お子様と話し合い、家庭での利用ルールを明確に設定しましょう。使用時間、利用するアプリ、閲覧しても良いサイトなどについて具体的に決め、親子で一緒にルールを守ることを心がけましょう。フィルタリング機能の活用や、家族でデジタル機器を使わない時間を作ることも有効です。トラブルがあった際には、冷静に対応し、学校や専門機関に相談することも視野に入れましょう。
思春期の兆候が見られ、親への反抗や自室にこもりがちになる
小学4年生頃から、いわゆる「前思春期」に入り、親に対して反抗的な態度をとったり、自室にこもりがちになったりすることがあります。これはお子様の自立に向けた自然な成長のサインです。お子様の気持ちを尊重し、プライバシーに配慮する姿勢を示しましょう。一方で、家庭内で守るべきルールについては、一貫した態度で伝え、根気強く向き合うことが大切です。親子での会話の機会を大切にし、お子様が安心して話せる関係性を保つよう努めましょう。

