小学 6 年生(11 歳~12 歳)の学習の指針

学習のテーマ

  • 目標を持って学び、体験とその価値について表現する

小学6年生(11~12歳)の学習では、目標を持って学び、体験とその価値を表現する力を育むことが大切です。論理的な分析読解、要約、複雑な思考課題を通して、中学受験・進学へ向けた高度な思考力と表現力を養います。

心身の発達課題と社会的な課題

思春期への移行

児童期後期から思春期への移行期です。言葉の力や筋道立てて考える力、抽象的思考力が高まり、科学的な理解、論理的な理解が進みます。実際に経験したり実物を確認したりしなくても、考えをめぐらせて理解することができるようになっていきます。

主体性と自律性

小学校では最高学年となり、リーダーシップを発揮し責任感を感じる場面が増え、それにともなう不安を感じたり自信を得たりしながら、主体性・自律性を育む機会となります。

大人との葛藤

また大人を相対化し始める時期でもあります。「大きな子ども」の中に、「小さな大人」が見られるようになる機会が少しずつ増えていきます。自主性が生まれる一方、自己管理や判断力など十分ではないため、大人との葛藤も生まれやすくなります。ご家庭でその都度話し合い、取り決めながら見守ることが大切です。

学習と生活の習慣

中学入試を目標にする場合は、ご本人や周囲の意識の高まりや忙しさから、ご本人やご家族の気持ちが不安定になりやすい時期です。ご本人の意志や個性を考慮に入れ、学習と生活の習慣を整えるサポートが大切になります。

リテラが大切にしたい学びの基盤

この時期に大切にしたい理解の基盤

  • 自分を捉える力:学習の状態をフィードバックしたり、どのように取り組むべきかを一緒に考えたりすることで、自分自身を捉え、適切な手段をとれるようにします
  • 知識と体験:本を用いて知識を深めたり、ワークショップなどで体験を提供したりすることで、学習や表現の前提をつくります
  • 情報を処理する力:整理の仕方を学んだり、語彙の吸収に取り組んだりすることで、情報をよりスムースに処理できるようサポートします

この時期に大切にしたい心の基盤

  • 自己効力感(自分はできると思える感覚):やりとげる体験を提供し、その過程に寄り添って努力を認めることで、「自分はできる!」という感覚を育みます。

この時期に学びたい表現の基盤

小学校高学年では、概念を操作すること・体験を描写すること・事実を意味づけることを通して、公立中高一貫校の適性検査型課題で求められる水準を満たす表現力に到達するとともに、より高度な思考力の基盤をつくります。

この時期に学びたい読解力

中学受験では、文章全体の「構造」を捉える力と、「テーマ」を読み取る力が求められます。ただ問題を解くだけではなく、要約や対話を通して、本質的な読解力を育んでいきます。

リテラの具体的な課題例

この時期に学びたい言語技術

言語技術の分野 課題
 読む 分析的な読み方を学ぶ
 書く 物語の要約
随筆文の要約
体験文・テーマ作文
 考える 思考課題「価値観」「事実ととら方」「体験」
 話す・聞く テーマに合わせて自分の考えや体験を話せる
 学習の姿勢 漢字・計算など基礎的な学習の習慣
予習の習慣
読書習慣
 受験への取り組み 読解問題演習
私立中学校過去問演習
公立中高一貫校適性検査型問題演習

読解

物語の要約
  • 物語の構造を学びます。「設定・出来事・結末」の構成や、心情の変化、葛藤などの要素を学びます。
  • 物語のテーマの理解や、象徴性の理解を深めます。
説明文・随筆文の要約
  • 「具体例・解釈・結論」の構成について学びます。
  • 具体例との関連や、象徴性の理解を深めます。

思考課題

思考課題「価値観」
  • 「価値観」では、自分にとって大切に思う物事について考え、自分自身のおかれている状況や時代・環境、自分自身の考え方について考えていきます。
思考課題「事実ととらえ方」
  • 「事実ととらえ方」では、事実に対する理解の仕方が自分の考え方を支えていることを学びます。
思考課題「体験」
  • 「体験」では、自分の考え方を支える事実としての体験について振り返り、その意味について考えます。

対話課題

「アンゲーム」
  • さまざまなテーマについて、自分の考えや体験を話します。
  • 相手の話をきちん聞く姿勢など、対話の作法を学びます。

ミッション(体験)

  • 作品制作に取り組みます。自分の感覚を働かせて、感じたり、工夫したりする体験の機会を作り、ことばにつなげていきます。自分なりに紹介するテーマを決めて、文章を書きます。

読解問題演習・私立中学校過去問演習

  • 本文と設問文とを丁寧に読む姿勢を身につけます。
  • 設問文で問われていることを理解し、適切な答え方を学びます。
  • 設問文に対して、自分なりに回答をイメージする姿勢を身につけます。
  • 選択肢問題では、回答のイメージを持つとともに、消去法も併用して適切な回答を選択できるようにします。

公立中高一貫校適性検査型問題演習

  • 国語分野:テーマ作文・体験文・意見文の書き方を学びます。
  • 社会分野:資料分析と記述の方法を学びます。
  • 理科分野:実験の目的・方法について学びます。
  • 数学分野:立式の方法、規則性・空間把握について学びます。

学習サポートのポイント

正解/不正解を受け入れられるように見守る

問題やテストでは、良い結果が自信になる一方で、思い通りの結果が得られないことで自信を失いやすい時期でもあります。成功体験を積めるよう、大人がそれとなくサポートする一方で、子どもが思い通りの結果が得られなかったときに、困難に向き合う心(レジリエンス)が持てるよう励まし、ミスや失敗を人格と結びつけないように配慮しながら見守ること、ミスや失敗から学ぶ姿勢を持てるよう前向き
な声がけをし続けることが大切になります。

集中力を発揮しやすい環境づくりを工夫する

学習課題が複雑になり、問題を分析したり解決するための見通しを立てたりする思考力が求められるため、注意力や集中力を充分に発揮することが重要になります。

「タイマーで時間を区切る」、「机の上を整理して必要なものをすぐに利用できるようにする」、「スクリーンやイヤーマフを使用してノイズを減らす」、「事前に気をつけたいことや学習のポイントを確認する」などの工夫をしながら、集中しやすい状況をあらかじめ作ることが重要です。

読書習慣を大切にする

特に中学入試を検討しているご家庭においては、常に活字に触れ、頭を「活字モード」にしておきたいところです。また、特に入試で出題される作家や新書をあらかじめ読み慣れておくことは、初見の問題に取り組む上で大きなアドバンテージになります。

この時期の困りごとへのアプローチ

ことばに関すること

抽象度の高い文章や説明文、論説文の読解が難しい

小学校6年生で扱う文章は、さらに抽象度が高まり、社会問題や科学的な事柄など、背景知識が必要となるものも増えます。文章を読む際には、筆者の主張を正確に捉え、論理の展開を追う練習をしましょう。必要に応じて、関連する情報を調べたり、図やグラフなどの資料と照らし合わせながら読んだりするのも有効です。

登場人物の複雑な心情や、作品のテーマを深く考察できない

物語を読む際には、登場人物の言動の裏にある感情や、時代背景、社会状況などを考慮しながら、多角的に考察する練習をしましょう。「作者は何を通して何を伝えたかったのか?」という問いを持ち、自分の考えを深めることが大切です。他の人の意見を聞くのも良い刺激になります。

自分の考えを論理的に構成し、説得力のある議論や文章を作成するのが難しい

自分の考えを主張する際には、客観的な根拠やデータを示すなど、説得力を持たせる工夫が必要です。議論や文章構成においては、論理の構成要素を意識しましょう。反対意見を想定し、それに対する反論を準備するのも有効です。

新聞記事やニュース、社会問題に関する文章を批判的(クリティカル)に読解できない

新聞記事やニュースを読む際には、情報の出所や筆者の意図などを意識し、鵜呑みにしない批判的(クリティカル)な視点を持つことが大切です。複数の情報源を参照したり、背景知識を調べたりすることで、より深く理解することができます。家族や友達と社会問題について議論するのも、批判的思考力を養う良い機会です。

プレゼンテーションやディベートで、論理的に分かりやすく伝えるのが難しい

プレゼンテーションやディベートでは、相手に分かりやすく伝えるために、話の構成を明確にし、視覚資料を効果的に活用することが重要です。論理的な展開を心がけ、客観的なデータや事例を示すことで、説得力を高めることができます。練習を重ね、質疑応答にしっかりと対応できるように準備しましょう。

グループワークや討論で、多様な意見を尊重し、合意形成を図るのが難しい

グループワークや討論では、自分の意見を主張するだけでなく、他の人の意見にも耳を傾け、尊重する姿勢が大切です。異なる意見が出た場合には、それぞれの意見のメリット・デメリットを比較検討し、より良い解決策を探るように心がけましょう。合意形成に向けて、積極的に提案したり、妥協点を探ったりするのも重要です。

生活に関すること

中学校生活への期待と不安、準備への戸惑い

小学校の最高学年としてリーダーシップを発揮する一方で、中学校への進学が現実味を帯び、期待と同時に大きな不安を抱える時期です。中学校の生活や学習について、お子様と一緒に具体的に情報収集をしましょう。学校説明会に参加したり、先輩の中学生の話を聞いたりするのは良い機会です。必要に応じて、通学路を一緒に歩いて確認したり、新しい環境への心構えを話し合ったりすることで、不安の軽減につながります。

自立心が高まりにともなう、親との価値観の衝突や反抗期

思春期への移行が本格化し、親の意見に反発したり、自分の考えを強く主張したりするようになることがあります。これは、お子様の自立心が育っている証拠でもあります。頭ごなしに否定せず、お子様の意見を最後まで聞き、尊重する姿勢を示しましょう。一方で、家庭内のルールや守るべきことについては、一貫した態度で伝え、根気強く話し合うことが大切です。お子様が「自分は一人の人間として尊重されている」と感じられるようなコミュニケーションを心がけましょう。

友達関係の複雑化と、多様な価値観への対応

友達関係がより深く、複雑になる中で、異なる価値観を持つ友達との関わりや、グループ内のトラブルに悩むことが増えます。お子様が話したがっている時には、まず共感的に耳を傾け、気持ちを受け止めることを優先しましょう。その上で、「相手はどんな気持ちだったと思う?」「どうすれば良い関係を築けるかな?」と問いかけ、多様な視点から物事を捉える力を養うよう促します。人間関係のスキルを身につけるための本や書籍を一緒に読むのも良いでしょう。

スマートフォン、ゲーム、インターネットの利用時間の増加とルール設定の難しさ

スマートフォンやゲーム、インターネットは、この時期の子どもたちにとって欠かせないコミュニケーションツールでもあります。利用時間や内容に関して、お子様と話し合い、納得の上でルールを再確認・設定しましょう。ルールは一方的なものではなく、お子様の意見も取り入れながら、定期的に見直すことが大切です。SNSでのトラブルやインターネット上の危険性について、お子様と一緒に学び、いざという時の対応方法を共有しておくことも重要です。

学習塾や習い事との両立、時間の使い方に対するストレス

中学受験をする場合は特に、学習塾や習い事との両立が大きな負担となることがあります。お子様の一日のスケジュールを具体的に可視化し、無理のない範囲で計画を立てるサポートをしましょう。睡眠時間を削ってまで学習時間を確保するのではなく、効率的な学習方法や、適度な休憩の重要性を伝えます。疲労やストレスのサインを見逃さず、必要に応じて気分転換の時間を設けたり、相談に乗ったりすることが大切です。

身体的な変化への戸惑いや、異性への関心の高まり

思春期の身体的な変化が本格化し、戸惑いや不安を感じることがあります。異性への関心も高まり、恋愛感情が芽生えることも。これらの変化について、オープンに話し合える関係性を築くことが大切です。身体の変化については、正しい知識を伝え、質問があれば安心して尋ねられるようにしましょう。異性との関わり方についても、適切な距離感や相手への配慮などについて、日々の会話の中で伝えていくことが重要です。

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