【ワークショップ報告】『身近な野草でテラリウムをつくろう!』

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リテラでは、体験を元に生きたことばを紡ぐためのワークショップを随時開催しています。
今回は、2015年6月に北千住と自由が丘で行われた『身近な野草でテラリウムをつくろう!』の様子をご紹介します。

動画

学習のポイント

言語技術教育とは、文章上の技法だけではなく、筋道だった考え方、コミュニケーション、自分を捉える力、抽象化能力など、あらゆる知的活動の軸となる力を育てる教育です。言語技術は、受験はもちろんのこと、自分の人生を「生きる力」となります。

読み聞かせと、マインドフルな姿勢づくり

道端に生えている「雑草」と呼ばれる草花を、ことさら意識して観察したことはないかもしれません。しかし、よく見ると、種類ごとに色や形・大きさが異なります。
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常に注意して新しいものに気づこうとする姿勢を、「マインドフル」な状態と言います(何も考えず、ぼんやりと過ごす姿勢を「マインドレス」な態度と言います)。
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道端にも様々な命が芽生え、季節によって変化していきます。実際に目には入っているけれど、実は「見ていない」ものが、身の回りにはあふれています。こうした細かなところに気づくことが、生活を丁寧にし、考える姿勢を育てていきます。

草花の観察

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自分が選んだ草花について、その特徴を把握します。葉の形・茎の形・葉のつき方など、植物図鑑の分類に沿って明確にしていきます。
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他の草花と「なんとなく違う」のではなく、どこがどう違うのかを正確に知ることは、そのものが何であるのかを正しく知る手がかりになります。
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「分ける」ことは、「分かる」ことにつながるのです。

テラリウムづくり

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手順に気をつけながら、実際にテラリウムをつくります。
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植物を扱うことの難しさや、知識・イメージが形になったときの楽しさは、実際に作ってみないとわかりません。
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また、そうしてできた小さな世界に動物のフィギュアを入れることで、さらに想像が膨らみます。

「循環」について知る

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テラリウムは、ビンの中で、水分と酸素・二酸化炭素が循環します。
「海が水であふれないのはどうしてだろう」
「空気が二酸化炭素でいっぱいにならないのは、なぜだろう」
テラリウムという小さな世界でおこる循環は、地球という大きな世界でも起こっていることを知ります。

作文

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作文では、テラリウムの作り方や、選んだ草花について、また、自分が作った作品の紹介について書きました。

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「テラリウムの物語」
小4・N君

六月十五日、リテラで、ぼくは、テラリウムを作りました。
テラリウムとは、びんの中で植物を育てる方法です。これから、作り方を説明します。まず、びんにねぐされぼうしざいを、スプーンでニはい、いれます。次に、砂利を、おたまで三はい、いれます。さらに、かっせいたんそを、おたまニはい、いれます。その上に、土を、おたま四はい、いれます。そこに、石や人形、そして、植物をいれます。
ぼくは、オオアレチノギクと、アカカタバミを植えました。
これから、オオアレチノギクの説明をします。オオアレチノギクの葉は、けんのようにとがった形をしています。葉のへりは、なめらかです。くきは、自分で立っています。くきのだんめんは、円になっています。葉のつき方は、たがいちがいです。
ぼくの作品のタイトルは、「うさぎの雨宿り」です。ある夏、くもりと雨のびみょうな天気の日に、うさぎが、公園で遊んでいました。すると、雨がふってきたので、うさぎは、雨宿りをしようと、オオアレチノギクの葉の下にゆっくり歩いて行きました。すると、土砂ぶりに近い大雨になりました。雨の音がザーザーとしていました。浅い川に流れる雨からは、カラカラと音がしていました。公園の名前は「浅川公園」です。

テラリウムギャラリー

Wさん(小4)-『初めて雪を見たオオカミの子が、はしゃいで草に話しかけているという想像をしました。だから、わたしはこのテラリウムに「初めての雪」という題名をつけました。』

Wさん(小4)-『初めて雪を見たオオカミの子が、はしゃいで草に話しかけているという想像をしました。だから、わたしはこのテラリウムに「初めての雪」という題名をつけました。』

Oさん(小3)-『作品のタイトルは、「ペンギンの国」です。冬、ペンギンが南極でたたずんでいます。』

Oさん(小3)-『作品のタイトルは、「ペンギンの国」です。冬、ペンギンが南極でたたずんでいます。』

Kくん(小4)-『ぼくの作品のタイトルは、「かくれんぼ」です。冬に、パンダがすこしつもった雪の中にかくれています。』

Kくん(小4)-『ぼくの作品のタイトルは、「かくれんぼ」です。冬に、パンダがすこしつもった雪の中にかくれています。』

Sさん(中2)-『私のテラリウムは、犬が山の中にいるイメージにしました。この犬は、人間の家族とくらしています。飼い主の帰りを待って吠えているのです。だから、「犬が山でほえている」というタイトルにしました。』

Sさん(中2)-『私のテラリウムは、犬が山の中にいるイメージにしました。この犬は、人間の家族とくらしています。飼い主の帰りを待って吠えているのです。だから、「犬が山でほえている」というタイトルにしました。』

Eくん(小5)-『ぼくは、テラリウムを、ジャングルをイメージして作りました。そして、ぼくが選んだ人形は、ゾウです。この作品の名前は、「ジャングルにあるぞうのすみか」です。』

Eくん(小5)-『ぼくは、テラリウムを、ジャングルをイメージして作りました。そして、ぼくが選んだ人形は、ゾウです。この作品の名前は、「ジャングルにあるぞうのすみか」です。』

Nくん(小6)-『ぼくは、テラリウムの中に、パンダの人形を入れました。その結果、テラリウムの中の世界は、パンダがカタバミの木の横を歩いているように見えます。だから、ぼくはこの作品に「パンダとカタバミの木」というタイトルをつけました。』

Nくん(小6)-『ぼくは、テラリウムの中に、パンダの人形を入れました。その結果、テラリウムの中の世界は、パンダがカタバミの木の横を歩いているように見えます。だから、ぼくはこの作品に「パンダとカタバミの木」というタイトルをつけました。』

Nさん(小1)-いぬの森で、空にむかって吠える1匹のいぬがいます。ところが、雨がふってきて、雷もなりはじめました。怖い思いをしているいぬが、また吠えると仲間がやってきてくれます。

Nさん(小1)-いぬの森で、空にむかって吠える1匹のいぬがいます。ところが、雨がふってきて、雷もなりはじめました。怖い思いをしているいぬが、また吠えると仲間がやってきてくれます。

ワークショップでは、この他にも、たくさんの素晴らしい作文と作品ができあがりました。

過去の動画ギャラリー

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: ワークショップの報告

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