絵本の読み語り・読み聞かせ ―― 物語を通して人生と向き合う

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人生の奥行きに思いを馳せるということ。それは幼い子どもであっでも、自然にしていることです。その時、その子の心に広がる大きな世界は、歴史、伝統、科学的法則性あるいは宗教、それらが関わり合うシチューのようなものかもしれません。

そうした自分を取り巻く大きな存在を感じる一番はじめのきっかけはなんといっても、ご家庭です。ご家族の日々の生活とその背景、ご家族の背中がお子様の人生と向き合うきっかけとなるのです。父や母の子ども時代の話や、祖父や祖母の若かりしのころの話をわくわくしながら聞いた経験がある方は少なくないのではないでしょうか。ご家族の「物語」ほど、リアリティを持ってお子様の心に響く物語はありません。

そして、絵本もまた、この世界のあり様を知るための非常に大切な道具です。

長年語り継がれてきた各国の口承文学は、それぞれの文化に蓄積された世界観や人生観といった価値観の縮図です。それらは文化の違いを越えて普遍的な人生の真理を私たちに垣間見せてくれます。

そうした口承文学に挿絵を加え、子どもたちに親しみやすくしたものがありますが、その挿絵が物語そのものを損なわないような作品を慎重に選んでこの教室の本を揃えています。

実は長い歴史の中でそれを語る様々な人々の要求に応えながら形作られた口承文学は、声だけで物語が立ち上がるように工夫されています。そのため、絵のない本について声による読み語り(読み聞かせ)を行うこともあります。

また、現代の絵本作家も素晴らしい作家が数多くいます。ウィリアム・スタイグ、トミー・デ・パオラ、トミー・ウンゲラーなど、子どもからも大人からも愛される素晴らしい物語の書き手たちの作品が、新しい子どもたちと出会うのを待っています。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 教育コラム

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