
目次
本の紹介
『君の火がゆらめいている』は、発達障害のある双子の姉・菜々実をもつ葉澄の視点から、家族の中での役割や、声になりにくい気持ちを描いた物語です。
葉澄は、菜々実の通院や学校への送迎を日常的に手伝っています。姉のことも、家族のことも大切に思っています。けれど、友達と遊びたい時間や、お母さんとゆっくり話したい時間は、少しずつ後回しになっていきます。
読み進めていくと、葉澄だけでなく、登場人物たちが抱える見えにくい事情や思いも少しずつ見えてきます。表に見えている姿だけで、人の気持ちは分かりません。
その人が何を抱え、何を言えずにいるのか。そこに目を向けながら読みたい作品です。
本のテーマ
「てんとうむしメソッド」で考えよう

葉澄は、双子の姉・菜々実のことを大切に思っています。だからこそ、通院や学校への送迎を手伝い、家族の中で自分にできることをしています。
けれど、その中で葉澄は、自分の気持ちを少しずつ後回しにしていきます。友達と過ごしたい。お母さんとゆっくり話したい。自分のことも考えたい。そう思っても、「家族だから」「仕方がないから」と、本当の気持ちを飲みこんでしまいます。
葉澄の中には、姉や家族を大切に思う気持ちと、自分のことも考えたい気持ちが、どちらもあります。
その二つの気持ちが重なるところに、この物語の大切な問いがあります。
一人で抱えこまなくてもいい。家族を大切に思いながら、自分のことも考えていい。自分の未来を、自分で選んでいっていい。こう思えるまでに、葉澄にはどんな出会いや気づきが必要だったのでしょうか。
考えるヒント
- 葉澄は、どんな場面で自分の気持ちを飲みこんでいたと思いますか? また、なぜその気持ちを簡単に言えなかったのでしょうか?
- きょうだい児の会でほかのきょうだい児と出会うことや、友達にも事情があると知ることは、葉澄にとってどんな意味があったのでしょうか?
- 葉澄が、家族を大切に思いながらも自分の未来を考えてよいと思えるようになったのは、どのような出会いやできごとがあったからでしょうか?
タイプ別:読み方・書き方
あなたはどのタイプ? 読書感想文の取り組み方がわかるタイプ診断
タイプ別に、読書感想文の読み方・書き方をご紹介します。まずはお子様またはご自分のタイプを診断しましょう。

各タイプのくわしい解説は、「あなたの子はどのタイプ? 読書感想文の前にやってみたい「4タイプ診断」」をご覧ください。
作家タイプ

作家タイプのお子さんは、登場人物の気持ちや、その奥にある意味を考えるのが得意です。「このお話は何を伝えたいのだろう?」と、テーマまで自然に考えられる力を持っています。また、自分の経験をふり返りながら考えることができるため、深い感想文を書く力があります。
作家タイプの子の扉を開く質問
- 「豊かさ」「発展」「やさしさ」とは、何を指すのでしょうか。
作家タイプの子は、物語全体のテーマや、心に残った言葉から考えるのが得意です。この問いに、すぐに「ある」「ない」と答えるのは簡単ではありませんが、「豊かさ」「発展」「やさしさ」という言葉を自分はどのように受け止めたのか、作中のセリフと自分の考えをつなげてみましょう。
研究者タイプ

研究者タイプのお子さんは、物事を「どうしてだろう」と考えるのが得意です。できごとをそのまま受け取るのではなく、原因や理由を知ろうとする力があります。「なぜこうなったのか」「どうすればよかったのか」と、順番に整理して考えることができるタイプです。
研究者タイプの子の扉を開く質問
- 「支えること」と「がまんすること」は、どこが同じで、どこが違うのでしょうか。
研究者タイプの人は、気持ちにすぐ共感するよりも、出来事や関係を整理して考えることが得意です。この物語に出てくる登場人物たちを比べてみると、「支えること」と「がまんすること」の違いが見えてきます。その違いを自分の言葉で説明することで、考えの筋道がはっきりした感想文になります。
探検家タイプ

探検家タイプのお子さんは、物語の出来事や展開を楽しむのが得意です。「次はどうなるの?」と、お話の流れを追いながら読む力があります。
登場人物の行動や、起きた出来事に興味を持ち、自分もその中にいるような気持ちで読めるタイプです。
探検家タイプの子の扉を開く質問
- 本当は言いたいことがあるのに、相手を困らせたくなくて言えなかった経験はありますか。
探検家タイプの人は、物語を読みながら、自分の経験や身近な出来事とつなげて考えるのが得意です。あなたも、家族のこと、自分の気持ち、友達との関係のあいだで揺れたことはありませんか? 「本当はこう思っていた」「でも、言ったら相手を困らせるかもしれないと思った」「自分ががまんすればいいと思った」という経験を書いてみましょう。
魔法使いの弟子タイプ

魔法使いの弟子タイプのお子さんは、物語を「いっしょに体験する」ように読むタイプです。
登場人物と同じ気持ちになったり、「いいな」「やってみたい」と感じながら読むことができます。まだ自分の考えを言葉にするのはむずかしくても、感じたことはしっかり心の中にあります。
魔法使いの弟子タイプの子の扉を開く質問
- 登場人物の気持ちが分かると思った場面はどこですか。
魔法使いの弟子タイプの人は、心に残った場面や、登場人物の気持ちから入ると書きやすいでしょう。葉澄の場面でも、菜々実の場面でも、ほかの登場人物の場面でもかまいません。まずは、心に残った場面をひとつ選んで、その人物が感じていたこと、本当に言いたかったことを考えてみましょう。また、もしあなただったらするか、書いてみましょう。
読書感想文の具体的なステップ
世界でひとつの読書感想文の書き方

読書感想文を、3時間ほどで書き上げるステップをまとめています。お子さまご自身のことばを、小さな断片からだんだんと大きくふくらませていき、まとめあげていきます。ありきたりな作文ではなく、今しか書けない、世界でひとつの読書感想文を書き上げましょう。
理解を深めるために
家族の中で、声になりにくい気持ち
『君の火がゆらめいている』を読むうえで知っておきたい言葉に、「きょうだい児」があります。「きょうだい児」とは、病気や障害のある兄弟姉妹をもつ子どもたちのことです。
また、関連する言葉として「ヤングケアラー」があります。こども家庭庁の「ヤングケアラーを知っていますか?」では、家事や家族の世話などを日常的に行っているこども・若者のことが説明されています。
この物語では、葉澄だけでなく、登場人物たちの中に、それぞれ見えにくい役割や負担を抱えている人がいることに気づかされます。本当は友達と過ごしたい。本当は自分のことを考える時間がほしい。本当は、誰かに気づいてほしい。そうした声になりにくい気持ちに目を向けることで、物語をより深く読むことができます。
より深くテーマを考えるために:リテラの読みかた
「きょうだい児」の物語を、わたしたちの物語として読む
この物語は、きょうだい児の視点から描かれています。けれど、同じ立場でなければ読めない物語ではありません。
私たちは、それぞれ違う立場で生きています。立場は違っても、だれもが誰かとの関係の中で生きています。今は支える側ではなくても、これから誰かを支える立場になることがあるかもしれません。反対に、自分が誰かに支えられる立場になることもあるでしょう。
この物語は、「特別な誰かの話」ではなく、人と人とが関係の中で生きるとはどういうことなのかを問いかける物語です。
支える人と、支えられる人のあいだで
私たちはつい、「支える人」と「支えられる人」を分けて考えてしまいます。けれど、人は一方的に支えるだけの存在でも、一方的に支えられるだけの存在でもありません。関係の中で、支えたり、支えられたりしながら生きています。
葉澄は、姉を支えているように見えます。けれど、葉澄自身もまた、誰かに気づいてほしい思いを抱えています。菜々実は、支援を必要とする存在として描かれます。けれど、それだけで菜々実という人を説明することはできません。
物語に登場する人たちの中には、それぞれの家庭の事情や、外からは見えにくい役割を抱えている人もいます。誰が支えているのか。誰が支えを必要としているのか。誰の声が聞こえにくくなっているのか。
そうした問いを持つことで、この物語はより立体的に見えてきます。
見えているものだけで決めつけない
私たちは日常の中で、人の行動だけを見て、その人を理解したつもりになってしまうことがあります。けれど、その行動の奥には、見えていない理由があるかもしれません。
怒っているように見える人の奥には、分かってほしいという思いがあるのかもしれません。何も言わない人の奥には、言葉にできない悲しさがあるのかもしれません。平気そうに見える人も、本当は言葉にできない思いを抱えているのかもしれません。
『君の火がゆらめいている』に登場する人物たちも、ひとつの言葉で簡単に説明できる存在ではありません。だからこそ、見えている姿だけで決めつけず、その人の奥にある言葉にならない気持ちを想像しようとすることが大切です。
分からないから考えないのではなく、分からないまま想像し続けること。それが、この物語を読むうえで大切な姿勢です。
ゆらめく火とともに生きる
この物語のタイトルにある「火」は、強く燃え上がる炎ではなく、ゆらゆらと揺れる火です。それは、誰かを大切にしたい気持ちかもしれません。見捨てられないという思いかもしれません。自分の中にある怒りや悲しみかもしれません。それでも消えずに残っている、小さな希望かもしれません。
人を思う気持ちは、いつも美しく、まっすぐなものとして語られるわけではありません。大切だからこそ苦しい。好きだからこそ腹が立つ。支えたいのに、自分も限界を感じる。
この物語は、そうした揺れを否定しません。揺れながらも生きていくこと、迷いながらも関係の中で考え続けることの意味を、静かに問いかけています。読み終えたあとに残った、言葉にならない気持ちを、少しずつ自分の言葉にしてみましょう。それが、読書感想文のはじまりになります。
2026年 読書感想文課題図書のページ
随時更新していきます。
読書感想文を書こう!
書き上げるのが大変な読書感想文。でも、読書とは本来、楽しいもの。読書感想文を素敵な学びの機会に変えてみませんか?
リテラの読書感想文講座では、お子様に丁寧に寄り添い、本を読んで感じた素直な気持ちや、自分の経験を引き出します。
| 対象学年 |
|---|
| 小学生・中学生・高校生 |
| 開講する場所 | |
|---|---|
| 北千住教室 | ◯ |
| 石神井教室 | ◯ |
| オンライン | ◯ |
| 受講回数 | 同時指導人数 | 受講料 | |
|---|---|---|---|
| 対面授業(北千住・石神井)・オンライン授業 | 3時間 | 完全個別 お子様との対話によって、じっくりと言葉を紡ぎます | 24,364円(税込26,800円) |
| 兄弟姉妹同時受講(※対面授業のみ) 同時2名までお得に受講できます |
|---|
| +10,600円 / 1名(税込11,660円) |
清書や追加受講をご希望の場合は、別途ご相談ください。なお、400字原稿用紙4枚以上を書き上げる場合や、時間内に書き上げることが難しい場合は、追加受講をお願いすることがあります。





