【2026年読書感想文特集】『チーム・テスならだいじょうぶ』カービー・ラーソン&クイン・ワイアット(中学生向け課題図書)

チーム・テスならだいじょうぶ

本の紹介

テスは、中学二年生の女の子。ノースレスク中学校に転校したテスは、新しいクラスになかなかなじめません。

「友達づくりは、わたしのスーパーパワーじゃない。でもわたしにだってスーパーパワーはある。お菓子作りだ」

亡くなったテスのパパは、お菓子作りの名人でした。父譲りのお菓子作りの才能を発揮して、テスは友達とのつながりを築き、焼き菓子づくりの腕を競う大会「ジュニア・ベイクオフ」への出場を目指します。ところがそんなある日、ずっと悩まされていた腹痛が悪化してしまいます……。

本のテーマ

「てんとうむしメソッド」で考えよう

テスは、焼き菓子づくりの大会「ジュニア・ベイクオフ」へ出場したいという思いを抱いています。
しかし、新しく写真スタジオを立ち上げたばかりのママに、経済的な負担をかけられません。

そんなテスですが、最後には、ジュニア・ベイクオフへ出場し、家族や友人たちたちに応援されながら、お菓子作りの才能を発揮させます。

この結末につながるために、テスを支えたものはなんでしょう。

考えるヒント

  • テスがエリーにオレンジ砂糖衣がけシナモンロールを渡した日、テスはパパにどんなメッセージを送ったと思いますか?
  • クローン病について知ったテスが車に閉じこもったとき、テスが外へ出ようと思ったのはなぜだと思いますか?
  • ベイクオフが一週間に迫ったとき、テスに出場をやめさせようと思っていたママが、テスの気持ちを尊重しようと考え直したのはどうしてだと思いますか?

タイプ別:読み方・書き方

あなたはどのタイプ? 読書感想文の取り組み方がわかるタイプ診断

タイプ別に、読書感想文の読み方・書き方をご紹介します。まずはお子様またはご自分のタイプを診断しましょう。

各タイプのくわしい解説は、「あなたの子はどのタイプ? 読書感想文の前にやってみたい「4タイプ診断」」をご覧ください。

作家タイプ

作家タイプのお子さんは、登場人物の気持ちや、その奥にある意味を考えるのが得意です。「このお話は何を伝えたいのだろう?」と、テーマまで自然に考えられる力を持っています。また、自分の経験をふり返りながら考えることができるため、深い感想文を書く力があります。

作家タイプの子の扉を開く質問

  • テスは決勝で棄権しました。でも、「ナイフが勝ったのではない、棄権したのは自分の意志だ」と感じています。なぜ、棄権することが「負け」ではなく「自分の選択」になったのだと思いますか?

作家タイプの子は、一見マイナスのできごとからも、プラスの意味を導き出すことができます。テスが棄権を選択した意味を考えてみましょう。

研究者タイプ

研究者タイプのお子さんは、物事を「どうしてだろう」と考えるのが得意です。できごとをそのまま受け取るのではなく、原因や理由を知ろうとする力があります。「なぜこうなったのか」「どうすればよかったのか」と、順番に整理して考えることができるタイプです。

研究者タイプの子の扉を開く質問

  • クローン病とはどんな病気か、調べてみましょう。テスが「私は普通の人生を送れない」と感じた理由がわかりますか?

研究者タイプの子は、ものごとの原因や理由まで考えることができます。後述するクローン病とそれと向き合う人について考え、わかったことや感じたことを書いてみましょう。

探検家タイプ

探検家タイプのお子さんは、物語の出来事や展開を楽しむのが得意です。「次はどうなるの?」と、お話の流れを追いながら読む力があります。

登場人物の行動や、起きた出来事に興味を持ち、自分もその中にいるような気持ちで読めるタイプです。

探検家タイプの子の扉を開く質問

  • テスはうれしことがあったときや苦しいとき、パパのスマホにメッセージを送っていました。あなたは、誰かに気持ちを伝えたくても伝えられないとき、どんな方法で気持ちを整理しますか?

探検家タイプの子は、登場人物と自分を重ねることができます。テスのように、自分の気持ちの整理の仕方について書いてみましょう。

魔法使いの弟子タイプ

魔法使いの弟子タイプのお子さんは、物語を「いっしょに体験する」ように読むタイプです。

登場人物と同じ気持ちになったり、「いいな」「やってみたい」と感じながら読むことができます。まだ自分の考えを言葉にするのはむずかしくても、感じたことはしっかり心の中にあります。

魔法使いの弟子タイプの子の扉を開く質問

  • もしあなたがテスの隣の席だったら、テスにどんな言葉をかけますか? または、どんなことをしてあげたいですか?

魔法使いの弟子タイプの子どもたちは、本の内容を自分につなげることが大切です。そのときに役立つ質問が「もし~なら」。具体的な状況を設定することで、発想しやすくなります。エリーがテスを支えようとしたように、もしあなただったらどんなことがしたいか考えてみましょう。

読書感想文の具体的なステップ

世界でひとつの読書感想文の書き方

読書感想文を、3時間ほどで書き上げるステップをまとめています。お子さまご自身のことばを、小さな断片からだんだんと大きくふくらませていき、まとめあげていきます。ありきたりな作文ではなく、今しか書けない、世界でひとつの読書感想文を書き上げましょう。

理解を深めるために

クローン病

クローン病は、IBD(炎症性腸疾患)と呼ばれる疾患群のひとつです。IBDとは、消化管に慢性的な炎症を引き起こす病気の総称で、最も一般的なものが「クローン病(女性に多い)」と「潰瘍性大腸炎(男性に多い)」です。

近年、若い世代の患者がふえていることが研究で明らかになっており、アメリカ消化器病学会(ACG)によると、毎年約7万5千人のティーンエイジャーがIBDを発症しています。

IBDの原因はまだ完全に解明されていませんが、遺伝・免疫システム・環境要因の相互作用が関係していると考えられています。IBDの患者さんの場合、体を守るはずの免疫システムが誤って健康な細胞を攻撃してしまい、炎症やさまざまな症状を引き起こします。

症状には個人差がありますが、一般的なものとして、下痢・腹痛・直腸からの出血・急な便意・発熱・食欲不振・吐き気・体重減少・慢性的な疲労・夜間の発汗・月経不順などがあります。

現在、クローン病を完全に治す方法は見つかっていませんが、症状をおさえて病気をコントロールするためのさまざまな治療法があります。早期の診断と適切な治療がとても大切であり、症状がある場合は医師に相談することが勧められています。

クローン病について調べてみよう

次のリンクは、クローン病やIBDについて解説している団体・機関のページです。病気のことを正しく知ることは、テスのような状況にある人への理解につながります。

調べる際は、できるだけ複数の専門的な情報源に触れるようにしてください。

より深くテーマを考えるために:リテラの読みかた

二重の痛みを抱えて生きる少女

転校してきたばかりのテスには、誰にも打ち明けられない秘密が二つあります。ひとつは、三年前に父トニーを突然失った悲しみ。もうひとつは、お腹の中でキツツキにつつかれるような、正体不明の痛みです。テスは父との記憶を胸の奥に大切にしまいながら、その痛みを誰にも見せまいとして、新しい学校の廊下を歩いています。心配されないように、同情されないように、痛みを必死に隠すテス。それは強がりではなく、傷ついた心が自分を守るために選んだ、精いっぱいの鎧なのかもしれません。

比喩が語る、言葉にならない痛み

物語の中で、テスの腹痛を表す比喩は少しずつ変化していきます。最初は「キツツキにつつかれるような」痛み。やがて「ヤマアラシ」になり、最後は「ナイフ」になります。症状の悪化とともに比喩が鋭くなっていくこの工夫は、テスが自分の痛みをうまく言葉にできないもどかしさと、それでも何とか表現しようとする切実さを、同時に示しているといえます。テスが国語の作文でCマイナスを取り続けるのも、単に文章が苦手なのではなく、自分の内側にある痛みと向き合うことが、そのまま父の死と向き合うことを意味してしまうからなのではないでしょうか。

棄権は、敗北ではなかった

決勝戦、テスの腹痛はピークを迎え、床に崩れ落ちます。エリーのアシストが特別に許可されますが、やがて容器を持つ力さえ失ったテスは、自らの意志で棄権を選択します。それはナイフに負けたのではありません。タンポポのリングに触れながら、父の記憶と、家族と、仲間たちの思いを感じながら、テスは「今この瞬間を精一杯生きた」のです。後に書いた作文でテスはこう言います。「ナイフが勝ったのではなく、棄権したのは自分の意志」。その言葉に至るまでの長い旅が、この物語のすべてです。

語れなかった言葉が、ようやく見つかるとき

物語のはじめ、テスは国語の作文でいつもCマイナスでした。「自分」を他人に見えるように言葉にすることへの、深い抵抗があったからです。しかし最後のエッセイで、テスはAプラスを受け取ります。自分の人生を決めた四つのことを、自分の言葉で書けたから。チョコレートケーキ、父の死、クローン病、ベイクオフ。どれひとつとして「なかったことにできる」ものはありません。でも、それらすべてがテスをテスにしました。

父の喪失とクローン病、二つの痛みを抱えながらも、テスはお菓子作りと仲間たちとともに、自分の人生を自分の言葉で語れるようになっていきます。人生はたったひとつのことでは決まらない——物語を通してテスが得た意味について、この本を手にしたあなたも考えてみてください。

2026年 読書感想文課題図書のページ

随時更新していきます。

読書感想文を書こう!

書き上げるのが大変な読書感想文。でも、読書とは本来、楽しいもの。読書感想文を素敵な学びの機会に変えてみませんか?

リテラの読書感想文講座では、お子様に丁寧に寄り添い、本を読んで感じた素直な気持ちや、自分の経験を引き出します。

▼時間と受講料
対象学年
全学年
開講する場所
北千住教室・石神井教室・オンライン
受講回数同時指導人数受講料
北千住教室(対面授業)3時間完全個別
お子様との対話によって、じっくりと言葉を紡ぎます
24,364円(税込26,800円)
石神井教室(対面授業)
オンライン
兄弟姉妹同時受講(※対面授業のみ)
同時2名までお得に受講できます
+10,600円 / 1名(税込11,660円)

清書や追加受講をご希望の場合は、別途ご相談ください。なお、400字原稿用紙4枚以上を書き上げる場合や、時間内に書き上げることが難しい場合は、追加受講をお願いすることがあります。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 読書感想文, ブックレビュー

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