【ブックプロジェクト】「医者をめざす君へ」×「将来の夢について」(小6 S・S)

医者をめざす君へ

本の紹介

先天性の心臓疾患をもつ中学生・山田倫太郎くん。
2015年8月23日「24時間テレビ愛は地球を救う」に出演し、その明るいキャラクターと真摯に生きる姿勢で日本中に大反響を呼んでいます。
この本は、「お兄ちゃんの病気を治すお医者さんになりたい」という弟・恵次郎くんに向けた「患者が望む理想の医者8ヵ条」を中心にまとめられている。
また、倫太郎くん自身の経験を元に、命の尊さや差別についても書かれている。
心臓に障害をもつ中学生の生のメッセージ。
子どもから大人まで、生きる元気を与えてくれる本です。

ブックプロジェクトのテーマ

この作品は、リテラの「ブックプロジェクト」で制作されたものです。ブックプロジェクトのコンセプトは、「つながる読書」。本・人・体験と自分をつなげながら、作品づくりに取り組んできました。詳しくは「ブックプロジェクトが始まりました」をご覧ください。

小学6年生S・Sさんのブックプロジェクトのテーマは「医者」です。医者を目指すSさんは、本書を読んで「理想の医者」について考えるにあたり、きっかけを与えてくれたお父さんに、「なぜ医療の仕事を目指したのか」初めてインタビューをしました。

作品の紹介

「将来の夢について」
小6 S・Sさん

この本の作者は、心臓に障害をもつ山田倫太郎君です。なぜ、倫太郎君が、この本を書いたかというと、医者を目指している倫太郎君の弟や、他の子どもたちに自分の体験を通して「理想の医者」について伝えるためです。

私がこの本で心に残った倫太郎君の言葉を四つ紹介します。

1つ目は、母が弟を身ごもっている時に、お手伝いを通して命の大切さを学んだことです。私には、妹と弟がいます。 しかし、二人が赤ちゃんの時、母のお手伝いもあまりしていなかったし、命の大切さについて余り感じなかったなと少し悔しい気持ちになりました。倫太郎君が、小学校三年生で命の大切さを学ぶことができたのは、自分の命が様々な人に支えられてきたことを感謝しているからこそだと思います。

2つ目は、自分の体験を通して、目の前の患者さんの本心や願いを聞き出し、一緒に考えていく姿勢を持った医者になって欲しいと語ったことです。私も病院で色々な先生にみてもらったことがあります。けれど、理想の医者について考えたことはありませんでした。理想の医者について考えて、みんなに語るということは、すごいなと思います。

3つ目は、ミルクも飲めなかった倫太郎君が、みんなと同じ食事をとれるようにしてくれたり、治療が終わっても声をかけてくれたりする、Y先生への感謝を述べているところです。私は、長くお医者さんのお世話になった経験はありません。患者さんとの関係は、治療が終わればおしまいだと私は思っていました。けれど、そうではないことに気づいてもらいたい、お医者さんは患者さんの病気を治すだけではなくて、心の支えになっているのだと伝えたい、倫太郎君の気持ちを知って驚きました。

4つ目は、医者になりたいと言っている弟をサポートしているとことです。私は妹と弟の将来の夢についてよく知りません。けれど、倫太郎君の弟のように、私の妹と弟が真剣に取り組みたいに夢を持ったときには、サポートできるお姉さんになりたいです。

私も倫太郎君の弟と同じように医者を目指しています。
きっかけは父です。父は再生医療の仕事をしています。研究の成果について話をする父の姿をはじめてテレビで見たとき、父の仕事のすごさが伝わってきて、私も将来、人の役に立てる医療の仕事に就きたいと思いました。

そこで、父になぜ研究者をめざしたのか、インタビューをしてみました。1つ目は、生物に興味があって、人がなぜ生きているのか、なぜ病気になるのか知りたかったからだそうです。2つ目は、自分の研究した成果が多くの人の役に立つかもしれないからだそうです。このことを話しているとき、父は、とてもまじめな顔をしていました。また、父に初めてインタビューをしたので、私もとてもドキドキしました。一番印象に残ったのは、人はなぜ生きているのか、なぜ病気になるのか不思議に思っていたことです。私は、今までこのようなことを考えたことはありませんでした。
これから、医師を目指しながら、父と一緒に考えていきたいです。

もう1人、インタビューをした人がいます。それは、母です。私は命の大切を知りたいと思い、私や妹弟を身ごもったときの気持ちを聞きました。3人それぞれ状況がちがうので、気持ちも違うけれど、私の時は1人目の子どもなので、喜びと不安が入り交じった感じだったそうです。それを聞いて、私は将来、医師になったら、母のように不安になっている患者さんに優しくよりそってあげたいと思いました。

この本は、私や倫太郎君の弟のように医師を目指す人だけでなく、倫太郎君のように病気を抱えている人や、家族の人に読んでもらいたいです。そして、今は、家族も自分も健康な人も、いつか病気や死と向き合う日がくるので、読んでもらいたいです。

この本について

キーワード:医療 医師 生命   

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

タグ: ,
カテゴリー: ブックレビュー, 生徒作品

リテラ言語技術教室について

menu_litera