【ワークショップ報告】魔法のスパイスを作ろう

今回は、2014年5月18日(日)に行われた作文ワークショップ『魔法のスパイスを作ろう』の様子をご紹介します。

ミックススパイス作りを通して、観察と作文の方法を学ぶ

さまざまな香りや味で、料理の幅をひろげ、食卓を豊かにしてくれるスパイス。

スパイスには、食品に豊かな香りをくわえるだけでなく、肉や魚を腐りにくくし、保存しやすくする効果もあります。今は冷蔵庫があるので、スパイスの保存効果について意識する機会が少なくなってきましたが、昔は、主にインドなどアジアを中心に栽培されたものが、エジプトやヨーロッパへもたらされ、金や銀ほど価値あるものとして珍重されました。

また、スパイスのパウダーをならべると、まるで絵の具のパレットのように色とりどりですし、ホールタイプ(粉末にしていないもの)のすがたもそれぞれ個性的な形をしていて、目を楽しませてくれます。

今回は、こうしたさまざまな魅力を持つスパイスをテーマに、オリジナルのミックススパイス作りを通して、「物事の観察力を養い、理解した内容をわかりやすく他者へ伝える方法」を学びました。

五感を刺激するスパイス作り

スパイスのセットweb

まず、名前をふせた8種類のスパイスについて、それぞれパウダータイプとホールタイプ、さらにそれらのスパイスの元のすがたがわかる写真(たとえば、シナモンの場合、シナモンの木の写真)を用意して、組み合わせクイズをしました。子どもたちは、なれない香りに驚いたり、自分の知識と照らし合わせてスパイスの名前を予想してみたりしながら、見た目や、匂いや味など五感を使って観察し、パウダータイプ・ホールタイプ・写真を対応させます。

スパイスづくりweb

そして、観察した中から好きなスパイスをいくつか選んで、オリジナルのミックススパイスを作りました。シナモンをベースにした甘やかな香りのスパイスを作る子もいれば、塩をベースにスターアニスをくわえ、エキゾチックな香りのスパイスを作る子もいました。

体験をことばにする

表づくり2web

それから、オリジナルスパイスについて、観察シートに記入しました。写真や、ホールタイプを直接シートに貼って、見た目や、香りや味について観察してわかったことを記入します。

こうした取り組みを元に、最後は観察した内容を文章にします。

Rさん・小4
「シエンジャーピネルの紹介」

五月十八日、リテラでオリジナルスパイスを作りました。

私が作ったスパイスの名前、「シエンジャーピネル」です。由来は、材料の五つのスパイスの名前からとりました。

では、材料を説明します。一つ目は、シナモンです、シナモンの色は、うすい茶色で、形は、まるで、たまごやきのようにぐるぐるしていました。太さは、えんぴつぐらいでした。手ざわり、さらさらしていました。香りは、チュロスのような甘い香りでした。味は、甘くてチュロスを食べたような気分になりました。シナモンは、木の皮をかんそうした物です。私のスパイスにスプーン三はいすくいました。

二つ目は、岩塩です。色は、うすいピンク色でした。形は、小石のようでした。大きさは、小さい物あったり、大きいのもありました。手触りは、ざらざらしていました。香りは、あまりしませんでした。味は、しょっぱかったです。岩塩は、海の化石といわれていました。このスパイスは、スプーン二はい半すくいました。

三つ目は、ジンジャーです。ジンジャーは、うすいはだ色で、形はうすっぺらくてゆがんだパンダの目のようでした。大きさは、親指のさきぐらいでした。手ざわりは、さわったらだんだんこなが出てきました。香りは、ツーンとしました。味は、辛かったです。スプーン少々です。ジンジャーは、昔インドで「シンガベラ」と言われていました。それは、角のような意味でした。

四つ目は、陳皮です。色は、上が茶色で下がはだ色になっていました。形は、まるで、りんごの皮のようでした。大きさは、消しゴムのカスみたいでした。手ざわりは、ボコボコしていました。香りは、みかんのようでしたが、くさくてきついにおいでした。味は、甘くて、苦くて、生のみかんの皮よりも味が弱かったです。スプーンにほんの少し、私のスパイスに入れました。

五つ目は、フェンネルです。色は、うすいきみどりでした。形は、まるで、ひまわりの種のようでした。大きさは、ひまわりの種より小さかったです。手ざわりは、つまむと、かたくて、さわると、さらさらしていました。香りは、甘くて辛いかんじでした。味は、甘くて苦かったです。このスパイスは、魚料理に使われています。私のスパイスには、スプーンで少々いれました。

最後に、これらの五種類のスパイスをまぜた「シエンジャーピネル」の説明をします。見た目は、シナモンの茶色が目立っていて、岩塩のつぶが大きくのこっています。なめてみると、最初は、岩塩のしょっぱい味がして、後からシナモンの甘い味がして、最後はジンジャーの辛い味がしました。陳皮とフェンネルの味はあまりしませんでした。私は、このスパイスをホットケーキときゅうりにつけて食べてみたいと思いました。塩キャラメルのように、甘い物としょっぱい物は、合うので、ホットケーキもこのスパイスが、合うと思います。また、きゅうりは、浅づけのように、塩を使ったつけものが多いので、このスパイスと合うと思います。それから、きゅうりのさっぱりした味と、シナモン甘い味があわさったらどうなるのか、楽しみです。

Iさん・小4
「スリーミックススパイスの作り方」

五月十八日、リテラで、オリジナルスパイスを作りました。

材料は、シナモン、岩塩、ジンジャーです。

まずシナモンです。色はこげ茶色で、形はそうがかさなっていて、丸くなっています。大きさは親ゆびの第一かんせつぐらいで、手ざわりがやわらかかったです。香りは、のどがスーッつとする甘い香りで、味は、香りと同じような甘い味がしました。シナモンは、木の皮から作られているそうです。

次は、岩塩です。色は、うすいピンク色で、形はゴツゴツしています。大きさは、小ゆびの第一かんせつぐらいです。ゆびでこすると、塩がざらざらとゆびにつきます。香りは、意外にしなくて、びっくりしました。味は、ふつうの塩と同じようにしょっぱいです。岩塩は「海の化石」と、言われているそうです。

最後に、ジンジャーです。色は、うすい黄土色で、形はピーナッツの実のようでした。大きさは、親ゆびの第一かんせつくらいです。つまむと、おかしでいう、ポテトチップスみたいなかたさでした。香りは、からしのようなからいにおいが、とても強くて、味もからしみたいに、ピリッとからかったです。ジンジャーは、昔、しかのつのという意味の「シンガベラ」と言われていて、それがジンジャーと言われるようになったそうです。

この三種類のスパイスをまぜて作ったスパイスは、「スリーミックススパイス」です。スパイスの見た目は、岩塩の白とジンジャーの黄土色が、茶色いシナモンの中にまだらにはいっています。味は、最初は、甘いシナモンの味がするけれど、あとにからいジンジャーの味しました。香りは、シナモンの香りが強いけれど、少しだけ、ジンジャーのからみがありました。

わたしは、このスパイスを、ホットケーキのたねに入れて食べたいです。

教室で作ったスパイスでどんな料理を作ろうがわくわくしている子もいれば、事前に自分でスパイスについて調べてきた子もいて、参加した生徒さんそれぞれが、ワークショップを心から楽しんでいることがよく伝わってくるイベントとなりました。

リテラでは、これからも体験とことばを結ぶ魅力あるワークショップを開催して参ります。次回をお楽しみに。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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