【アートメチエ報告】『和紙の灯りと空間 ~細川紙の可能性~』

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2015年5月16日(土)、東京電機大学教授・勝又洋子先生をお招きし、当教室のあるプティボワ―ビル一階の「Cafe kova Garden」にて、第14回千住アートメチエ文化教養講座『和紙の灯りと空間 ~細川紙の可能性~』を開講しました。

講座の様子

今回の講座では、空間演出デザインの研究や、細川紙を用いた空間インスタレーションの制作・展示を行っている勝又洋子先生から、ユネスコの無形文化遺産に登録された細川紙についてのレクチャーを受けた後、細川紙を使った灯りづくりに挑戦しました。

和紙と暮らし

細川紙は、埼玉県小川町と東秩父村で伝承される、伝統的な手漉き和紙です。その製作技術は、昨年ユネスコの無形文化遺産に登録されました。

細川紙は、埼玉県小川町と東秩父村で伝承される、伝統的な手漉き和紙です。その製作技術は、昨年ユネスコの無形文化遺産に登録されました。

洋紙が普及する以前、和紙は日本人の暮らしや装い、遊びや商い、芸術や学問など、いたるところで活用されてきました。

洋紙が普及する以前、和紙は日本人の暮らしや装い、遊びや商い、芸術や学問など、いたるところで活用されてきました。

灯りづくりワークショップ

形とデザイン

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和紙についての知識を得た後は、実際に細川紙を使って、灯りづくりをしました。まずは、厚紙で大まかな形やデザインを決めていきます。

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折ったり、切ったり、つなげたり……。思い思いの形を作っていきます。
「自由な発想をすることが何よりも大切」と勝又先生。

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時間を忘れて、イメージを形にしていきます。
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自由な発想で

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細川紙をちぎって貼り付けていくと、それぞれの灯りの形が見えてきました。

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繊細かつ丈夫な細川紙ですが、近年では、技術者の高齢化や後継者不足などがあり、技術の存続が危ぶまれています。そんな貴重な細川紙を使うことにためらいを感じる参加者も少なくありませんでしたが、伝統に縛られずに自由に発想し、細川紙を「道具」として大胆に使うことで、和紙の新しい可能性が広がっていきます。

灯りをともしてみよう

できあがったら、部屋を暗くして、灯りを入れてみましょう。和紙を通したあたたかな灯りに、参加者のみなさんから、感嘆の声がもれます。世界に一つだけの灯りに、いつまでも見入ってしまいました。
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参加者の声

かわいいキャンドルの下に敷かれているのは、勝又先生がもってきてくださった懐紙です。

かわいいキャンドルの下に敷かれているのは、勝又先生がもってきてくださった懐紙です。

参加者アンケートから

  • 他人ごとのような感覚で見たり聞いたりしていた文化遺産。勝又先生のお話をうかがう中から、地域の風土と人が生活する中で育んできた技術の素晴らしさを、今までよりも身近に感じる事ができました。細川紙を透して観るほっこりとした光の優しさは、キチキチになりがちな日々の生活の中で、私にちょっぴりまったりな瞬間を思い出させてくれるかもしれません。勝又先生、アートメチエに関わるみなさま、ありがとうございました。次回も楽しみにしています。

次回の千住アートメチエの詳細は追ってご案内いたします。お楽しみに。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 文化教養講座

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