【アートメチエ報告】『雪の女王の住まう島 知られざるスピッツベルゲン島』

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2014年11月29日、写真家 門脇久芳さんをお招きし、当教室のあるプティボワ―ビル一階の「Cafe kova Garden」にて、第十二回千住アートメチエ文化教養講座『雪の女王の住まう島 知られざるスピッツベルゲン島』を開講しました。

講座内容の抜粋

今回の講座では、オーロラを追いかけて北極圏を旅している写真家・門脇久芳さんに、ノルウェーのさらに北に位置する知られざる島「スピッツベルゲン島」についてお話いただきました。美しい写真や実際に体験したエピソードを披露していただきました。

Spitsbergenスピッツベルゲン(オランダ語で「尖った山々」の意味)島は、ノルウェー領スヴァールバル諸島で最も大きな島です。冬の最低気温はマイナス40度、夏でも10度くらいまでしか気温が上がらない極寒の地です。

島には世界最北の町ロングイェールビーン(Longyearbyen)があります。法的にはノルウェーの領土ですが、1920年に締結された「スヴァールバル条約」によって、批准した国民の自由な滞在や経済活動が許されています(日本も批准しています)。

撮影:門脇久芳

撮影:門脇久芳

島の自然と研究機関

スピッツベルゲン島のトナカイは、「ずんぐりむっくり」な体型だそうです(撮影:門脇久芳)。

スピッツベルゲン島のトナカイは、「ずんぐりむっくり」な体型だそうです(撮影:門脇久芳)。

IMG_1517島には、シロクマや、島固有の「スヴァーバル・トナカイ」が生息しています。島民はシロクマ対策に、自然の中に行く際にはいつもライフル銃を背負っているそうです。

また、古い地層がむき出しになっており、たくさんの化石が「落ちて」いるのだそうです(当日は、門脇さんが拾った化石のうち、アンモナイトやシダを実際に見せて頂きました)。

環境分野の研究機関も多く存在し、ロングイェールビーンの近郊には、地球の植物の種子を冷凍保存する「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」があります。博物館や大学もあり、極寒の地でありながら、近代的な雰囲気があります。氷河の中を歩くツアーもあるそうですが、温暖化の影響で氷河が後退し、次第に遠ざかっているそうです。

撮影:門脇久芳

氷河の中の様子。冬、氷河の中を流れる川が凍ってできた空洞をたどります(撮影:門脇久芳)。

真昼のオーロラ

『極夜のロングイヤービエン』 撮影:門脇久芳

『極夜のロングイヤービエン』 撮影:門脇久芳

冬には、日が昇らない「極夜」の時期があります。真昼でも、星と共にオーロラが見えます。オーロラは北極点を中心に大きな環となって出現しますが、北極点に近いスピッツベルゲン島はその環の中に位置するため、南の地平線からオーロラが昇ってくるそうです。
撮影:門脇久芳

撮影:門脇久芳

私達のまったく知らない自然や暮らしを、美しい写真で堪能した2時間でした。

参加していただいたみなさんの声

欠かさず参加してくださる方の、これまでの講座をまとめた受講ノート。千住アートメチエも今回で12回となりました。

欠かさず参加してくださる方の、これまでの講座をまとめた受講ノート。千住アートメチエも今回で12回となりました。

アンケートからの抜粋

  • 自分ではなかなか行くことのできない世界を知ることができて良かったです。オーロラの映像や氷河の中の様子など、とても貴重なものを見せていただき、ありがとうございました。温暖化はなかなか深刻な問題だと実感しました。
  • 日本の関東の中ほどで暮らしている身としては、見るもの聞くものまるで想像したことのない世界で興奮した。
  • 私の中では未知の世界でしたので、楽しみ倍増であっという間の時間でした。早くこんな世界を知っていたら、行ってみたかったところです。生物の力強さ、自然の不思議さなど素晴らしいです。

この他にも、たくさんの声をいただきました。参加していただいた皆様、どうもありがとうございました。

次回の千住アートメチエの詳細は追ってご案内いたします。お楽しみに。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 文化教養講座

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