【ブックレビュー】『9月0日大冒険』(さとうまきこ)

9月0日大冒険 (偕成社ワンダーランド( 2))

内容紹介

夏休み、どこにもでかけられなかった純。九月一日、いつもの朝を迎えるはずでした。しかし、夜中に起きてみると、家はジャングルの中。カレンダーには、「九月◯日」と書いてあります。それは、あるはずのない、冒険の一日の始まりでした。

子どもたちのブックレビュー

考えてほしいこと

読む前に

  • あなたは、友だちとケンカをしたことはありますか? その時、どのように仲直りしましたか?
  • あなたは、周りの大人たちに対して、不満がありますか?

読んだ後に

  • リコとアギラは、最初、どのような性格ですか?
  • 冒険をして、三人の性格はどう変わりますか? シラミ(純)、リコ、アギラ、それぞれについて考えてみましょう。
  • 三人の仲はどう変わりますか? また、それはなぜですか?
  • あなたには、わがままなところや弱いところを認め合える友だちがいますか?
    • たとえば、どのようなことがありましたか?
  • 純は「おとなになるにつれて、たいせつなものも、そうじゃなくなっていくのだろうか」と考えますが、「たいせつなもの」とはどのようなものだと思いますか?

この本について

キーワード:仲間 

病弱で肌が白く「シラミ」とバカにされている純と、わがままなリコ、それに乱暴者の「アギラ」というくせのある三人が、八月三一日の次の日、「九月◯日」という不思議な日に迷い込みます。最初はわがままばかりでうまくいかなかった三人ですが、様々な困難を越える中で、互いの弱さを認め合えるようになっていきます。

三人はそれぞれ、大人に対する不満や不信を抱えています。子どもたちだけで過ごした九月〇日は、「たいせつなもの」を胸に秘めたまま大人になっていこうとする、彼らの自立への第一歩だったのでしょう。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: ブックレビュー

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