【2015読書感想文特集】『マララ:教育のために立ち上がり、世界を変えた少女』(高校生向け課題図書)

マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女

それぞれの課題図書の紹介と考えるポイント、声がけのヒントなど、読書感想文に役立つ情報を、順次公開しています。

内容の紹介

「すべての人は教育を受け、幸せに生きる権利があるのです」
女の子が学校に通う権利を訴え、タリバンに襲撃され重症を負ったマララ・ユスフザイさん。非暴力による抗議活動の世界的なシンボルとなり、2014年に史上最年少でノーベル平和賞を受賞した彼女が、本書を通じて世界の少年少女に語りかけています。

読む前の下ごしらえ

考えてほしいこと

読む前に、次のことを考えてみましょう。

  • 教育を受けないまま、大人になることは何を意味するでしょうか? 例えば、言葉のわからない外国で暮らすようになったら、どのような生活になるか想像してみてください。あなたは、どのようにお金をかせぎますか? 正しい情報をどのように手に入れますか?
  • 教育と平和の間にはどのような関係がありますか。下記の「参考メディア」も参考にしてまとめてみましょう。
参考メディア
  • 動画 2013年、国連での演説

タリバンの襲撃によって負った傷が回復した後、国連で行われたマララさんのスピーチです。力強いメッセージを受け取りましょう。

イスラム教の文化や習慣、争いが生まれた背景やパキスタンの歴史、マララさんの生い立ちなどが、詳しく書かれています。教育を受けられなかった人々の生活も描写され、教育の必要性をより強く感じることができます。

読んだ後に

読み終わったら、次のことを考え、書いてみましょう。

考えるヒント

  • 本書のキーワードは、子どもの教育・女の子の権利・貧困・パキスタン情勢などです。どれも、日本で生活していては想像しにくい問題であると思います。感想文では、教育のありかたに目を向け、あなた自身の学びの姿勢をもう一度問う事が求められます。ニュースや新聞、マララさんの他の著書も参考にしながら、「知らないことを学ぶ」体験そのものを感想文として書き上げるのもよいでしょう。
  • マララさんは、子どもたちが学校に通い、読み書きを学び、世界を知るすべを身につけることが、貧困の連鎖を止め、世界に平和をもたらすと訴えます。あなたは、学校で読み書きを学び、本を読むことができる環境にいますか? もしそうなら「よりよい世界を作るために」あなたができることは何でしょうか。考えてみましょう。

保護者の方へ

上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。

「なぜ女の子は教育を受けられないのか?」
子どもが働かされる「児童労働」や、お金の見返りに幼い女の子を結婚させる「児童婚」の問題について、マララさんの目線で、同じ世代の子どもたちにメッセージが投げかけられます。

教育を受けられないと、何世代にも渡り貧困が続きます。貧しい暮らしの中、学校に行けず、読み書きができない子どもたちは、大人になっても充分な収入が得られず、その子どもも学校に行くことができなくなります。こうした「悪循環」は、やがて国内に貧困や紛争といった問題をふくらませていきます。

彼女の強い意志とことばに、たくさんの人々が励まされています。今の時代は、誰もが世界とつながって生きています。迫害や差別について、そして権利や教育の重要性について、自分が生きる世界のこととして、自分に引きつけて考えてみましょう。

読書感想文を通して考えてほしいテーマ

  • 子どもの権利
  • 教育

構成について

構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。

「誰に、何を伝えたいか」

  • ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
    • 誰に……例)家族、友人、先生
    • 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
  • 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。

文章の構成

  • 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
  • 【はじめ】
    • この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
  • 【なか】
    • 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
    • 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
      • 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
      • 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
      • 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
      • 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
    • 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
  • 【おわり】
    • 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
読書感想文の書き方・文例について、より詳しくは「テーマを考えてから書こう! ~読書感想文のコツ」をご覧ください。
この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: ブックレビュー

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