【2016年読書感想文特集】『二日月』いとう みく(中学年向け課題図書)

二日月 (ホップステップキッズ!)

内容の紹介

小学四年生の杏に、妹ができます。でも、妹の芽生の体は、ずっと小さいまま。生き続けることができるかどうかも、わからないというのです。退院した後も続く気の抜けない日々、杏は、戸惑いながら、その現実を受け入れていきます。

読む前の下ごしらえ

考えてほしいこと

読む前に、次のことを考えてみましょう。

  • 自分の心が、自分の思い通りにならない経験はありますか? それは、どんな時ですか?

読む

読む時は、印象に残った場面や不思議に思った場面など、「心が動いたところ」にふせんを貼りながら読みましょう。書く時の材料になります。
また、できれば、家族や友だちと、同じ本を読んでみましょう。自分と違う感想や考え方を知ると、感想文の内容がより深いものになります。

準備する

気持ち

本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話や作文の際のヒントになります。

体験

読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。

考えるヒント

  • 春菜ちゃん、藤枝君、真由が、障がいのあるナオト君について、ことばを交わすシーンがあります。それぞれの意見をまとめると、次のようになります。
    • 春菜ちゃん:「障がい者はみんなと同じじゃない。同じじゃないとみんなに迷惑をかける。だから、障がい者の学校に行った方がよい」
    • 藤枝君:「障がいがあるナオトのことを迷惑だなんて思っていない。でも、障がいがあってかわいそうだと思う」
    • 真由:「障がいがあってもなくても、迷惑をかけるのはお互い様だ。なりたくて障がい者になった人なんて、いない」
  • 三人の会話を聞いた杏は、障がいについて「かわいそうなんて思われなくない」と感じます。あなたはこれらの意見について、どう思いますか? 自分の意見と、その理由を考えてみましょう。
  • 学芸会の後、春菜ちゃんは、芽生をだっこします。その時、春菜ちゃんはどんなことを感じたと思いますか? 芽生の体の重み、温度、手ざわり、表情など、自分が芽生をだっこしているところを想像し、考えてみましょう。
  • 心は、自分でもコントロールできないことがあります。
    • 杏は、自分の心を、満ち欠けを繰り返す月に例えます。あなたは、自分の心の満ち欠けを感じたことがありますか? それは、どのような時ですか? 考えてみましょう。
    • 心が揺れてしまうのは、心が弱いからでしょうか。また、心が揺れてしまうのは、いけないことでしょうか。あなたはどう思いますか。

保護者の方へ

上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。

読書感想文を通して考えてほしいテーマ

  • 信じる心
  • 家族
  • 愛情
  • 成長

この本について

命の危険にさらされながらも少しずつ成長していく芽生と、心を揺らしながら強くなっていく杏、そして、芽生の成長を信じ、懸命に命を守ろうとする両親の姿が描かれます。
妹ができたという喜びもつかの間、杏は、妹の芽生が、いつまで生きられるかわからないという現実に直面します。それは簡単に受け入れられるものではありません。芽生の将来への不安、気の抜けない日々の中での戸惑い、孤独など、芽生は、様々な感情に巻き込まれます。頭ではわかっているけれど、心がついてこないのです。
発育の遅い芽生に対する周囲からの偏見に反発しつつ、自分もまた芽生を恥ずかしいと思ってしまったりと、ままならない心に向き合いながら、少しずつ、杏は成長します。
揺れ動く日々の中、杏や両親にとって、何よりも強い支えとなっているのは、芽生が、今ここに生きているという事実です。芽生のありのままの命が、不安や偏見を越えた力を持っているのと同じように、ありのままの自分に向き合う強さこそ、杏の強さであるといえます。

合わせて読みたい


心身の障がいをもつ子どもたちをめぐる短編集です。いずれの話も現実を見つめて描かれ、読むのに痛みがともないます。しかし、その痛みこそが、人の心の痛みを想像する力につながっていきます。

構成について

構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。

「誰に、何を伝えたいか」

  • ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
    • 誰に……例)家族、友人、先生
    • 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
  • 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。

文章の構成

  • 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
  • 【はじめ】
    • この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
  • 【なか】
    • 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
    • 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
      • 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
      • 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
      • 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
      • 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
    • 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
  • 【おわり】
    • 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
読書感想文の書き方・文例について、より詳しくは「テーマを考えてから書こう! ~読書感想文のコツ」をご覧ください。

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